団塊世代を中心としたアクティブシニア層向けの市場が活性化している。高度経済成長を体験してファッションや流行にも敏感な世代だけに、購買力を取り込もうと流通大手が商品やサービスを相次いで打ち出している。
イオンは4日、ワコールと共同開発した60代以上の女性向け下着を6日から全国のイオン約250店で販売すると発表した。ホックをなくすことで下からはいてゆったりと着けられるブラジャーなど体形の変化に応じた工夫をほどこし、発売から1年間で6億円の売り上げを見込む。
ブランド名は「Tuyaka(つやか)」で、ブラジャーのほかにショーツやキャミソールなど計11種類を用意。ワコールがスーパー向けに展開している同世代向けのブラジャーは3000円以上が中心だが、つやかは2300~2800円に設定し、買いやすさも重視した。
高度成長期にスーパーの成長を支えた女性がシニア世代に差し掛かり、「品ぞろえが薄かったシニア世代向けの商品強化」(イオンリテールの三浦隆司衣料商品企画本部長)が大きな課題だ。イオンは中期経営計画で「シニアシフト」を打ち出し、商品強化や売り場作りを進めている。