「老化は足から」という言葉があるが、高齢者が転倒すると、骨折して寝たきりになったり、頭などを打って命を落としたりする危険がある。元気に年を重ねるために防ぎたい転倒。散歩や体操、ストレッチングなどを無理のないペースで続け、転びにくい体づくりを目指そう。(竹岡伸晃)
衰えの把握が第一歩
厚生労働省の国民生活基礎調査(平成22年)によると、要介護となった人のうち骨折・転倒が原因は10・2%。脳卒中(21・5%)、認知症(15・3%)などとともに主要原因の一つだった。人口動態統計(24年)によると、転倒・転落による死亡数は7761人で、増加傾向にある。
「高齢者が転倒すると本人も家族も大変。もっと予防に力を入れるべきだ」。『いくつになっても転ばない5つの習慣』(青春出版社)などの著者で「転倒予防医学研究会」世話人代表、武藤芳照・日体大総合研究所(東京都世田谷区)所長はこう話す。