滞在型の健康づくりを打ち出す温泉が増えてきた。観光や骨休めにとどまらず、ウオーキングと組み合わせたり、効果を科学的に検証したり。日本では古くから温泉に長く滞在して療養する湯治の習慣があるが、忙しい現代人に合わせ、近年は短期間滞在する「プチ湯治」「現代湯治」といった言葉も使われている。(寺田理恵)
芯から温まる
箱根温泉に近い神奈川県南足柄市にある温泉施設「おんりーゆー」は、「モダン湯治スタイル」を打ち出している。
風呂、野菜料理中心のレストラン、宿泊用客室などを備え、ストレッチやヨガ、ノルディックウオーキングなどの講座も実施。利用者の7割が東京や横浜からで日帰り主体だが、施設での滞在時間は長く、4つしかない客室は満室が続く。
副支配人の青木宏之さんは「6年前のオープン当初は写経や座禅など屋内の講座で始めましたが、利用者のニーズを踏まえ、戸外に出るプログラムに変えていきました。ウオーキングは森の中で癒やされたり、体を動かした後の爽快感が良かったりするようです」。