月経前、心身に不調を感じる女性は2~5割とされる。中でも特に精神症状が重い場合、鬱病の一種である「月経前不快気分障害」(PMDD)の可能性がある。PMDDは日本ではあまり知られていないが、服薬で治療が可能。東京女子医大東医療センター精神科の山田和男教授に聞いた。(油原聡子)
不安系症状強い
山田教授は「分かりやすく言うと、PMDDは月経前だけに起こる鬱病」と説明する。月経の7~10日前に症状が出始め、月経開始とともに症状は消える。だるさやむくみ、不安感など月経前に心身に症状が出る「月経前症候群」(PMS)に比べ、精神的な症状が重い。
日本ではPMDDはあまり知られていないが、国際的には鬱病の一種として認められている。今年5月、アメリカ精神医学会がPMDDを鬱病の一つとして認め、診断基準を定めた。