存在感を発揮できるのは、顧客ニーズや商品展開などで強みを持つ阪急百貨店の独自のマーケティング力と、阪急沿線に立地することによるブランド力だ。
このエリアで展開する千里阪急(大阪府豊中市)、西宮阪急(兵庫県西宮市)は、27年11月のエキスポシティ(吹田市)の開業で苦戦も予想されたが、今のところ大きな影響は出ていない。28年3月期の前期比売上高は千里阪急が1・2%増の167億円、西宮阪急が1・4%増の251億円、川西阪急(兵庫県川西市)も0・7%減の166億円で、エキスポシティが秋開業だったことを考慮しても大きなマイナスにならなかった。
このエリアでは阪急のブランド力をフル活用して生き残りを図る。それが可能だということだ。阪急阪神百貨店の林専務も「(沿線でない)大阪南部では厳しい競争環境にあったが、阪急沿線の北部はブランド力が浸透しており、勝負ができる」と強調する。