中国人観光客の「爆買い」に沸いてきた関西の百貨店業界。だが、宴は終わろうとしているのかもしれない。中国政府は日本など海外での買い物にかける関税を引き上げ、日本製品も買えるネットショッピングを育成するなど爆買い阻止に動いている。肝心の日本人の消費は伸びていない百貨店業界。また低落の道に引き戻されるのか。
これで良いのか?
全国百貨店の4月の免税品売上高は前年同月比9・3%減となり、平成25年1月以来、3年3カ月ぶりに前年実績を下回った。大阪地区の百貨店売上高は、2・6%減の585億円となり、4カ月連続で減少。春物衣料の販売が振るわなかったのが要因という。
深刻なのが、あべのハルカス(大阪市阿倍野区)に入る近鉄百貨店本店だ。28年2月期の売上高は1090億円となり、目標の1082億円をかろうじて上回ったが、前期比では2・2%の減。全面開業効果がはやくも剥落した。
近鉄百貨店の高松啓二社長は「まだ道半ばだが、収益力のある旗艦店として再生できる」と言う。そのため、流行の発信拠点としての百貨店の本丸であるはずの若い女性向けの売り場を縮小する一方で、家電量販店を誘致するという。
現状打破のために、爆買いに頼らざるを得ない。しかし、これで良いのか。