特にイオンモール堺鉄砲町は、イオンリテールが堺北花田阪急と同じSCに入居しているにもかかわらず、直線距離5キロメートル未満の近距離に開業したことに「イオン同志で顧客を食い合うのでは」と懸念する声もあった。
また、大阪市営地下鉄御堂筋線で約10分に立地する近鉄百貨店本店(大阪市阿倍野区)が26年2月にあべのハルカスの完成と合わせて全面開業。近鉄百貨店本店自体は当初計画に比べ苦戦しているものの、堺北花田阪急にとって大型百貨店の立ち上がりは少なからず影響はあったとみられる。
2つ目の誤算が、26年4月の消費税増税による影響で想定以上に売り上げが落ち込んだこと。それまで堺北花田阪急は売上高100億円以上、営業利益1~2億円で推移していたが、26年春から低迷基調に陥った。阪急阪神百貨店の林克弘専務は「さらにここにきて節約志向の高まりもあり、百貨店ならではの高付加価値をしようにも限界がある」と説明する。
求められるビジネス戦略の転換
節約志向が高まる中、日常生活の密着した展開が求められる郊外店舗だが、阪急阪神百貨店は大阪北部の北摂地域、兵庫県の阪神地域の店舗で健闘している。