いやはや、本当に凄い技術ですよね。まだ特許出願段階なので実用化はかなり先のような気もしますが、ただひとつ言えるのは、そう遠くない将来、こうした技術が間違いなく製品化されるということです。何と言っても手掛けているのはグーグルですからね。
しかし、驚くのはまだ早いのです。グーグルは昨年、欧州製薬最大手、ノバルティス(スイス)傘下の企業、アルコンに対し、目を通じてさまざまな生体情報を無線でサーバーなどに送ることができるという現在開発中のコンタクトレンズ「スマートレンズ」の技術ライセンスを供与。
ノバルティス側はこれを受け、グーグルのスマートレンズの技術を駆使し、糖尿病患者の涙から血糖値を測定し、そのデータを逐次、サーバーに飛ばして記録し、患者の健康に役立てようという研究を進めているのです。将来的には血糖値以外の生体情報をも無線でサーバーに送り、パソコンで管理・分析することを目指すといいます。
それだけではありません。このスマートレンズ、視覚障害者の人々の生活を大きく変える可能性も秘めているのです。
どういうことかといいますと、超小型の内蔵カメラを設置したスマートレンズを視覚障害者の人が使うとします。彼らが交差点を渡っているとき、不意に人や車が近づいてくると、内蔵カメラがとらえた映像データは信号に変換され、当人のスマホに無線で飛び、スマホから警告音を出したりすることもできるというのです…。
技術ライセンス供与の件についてノバルティスのジョセフ・ヒメネス最高経営責任者(CEO)は「グーグルとともに仕事をし、互いの先進的な技術を融合させるとともに、われわれの医学に関する広範囲の知識を、いまだ対処できていない(病気といった)医学的ニーズに合致させることを楽しみにしている」とコメント。