出願書類に書かれたイラストを見ると、電子レンズを通した光が、眼球の一番内側にある網膜(光やモノの形、色といった視覚情報を脳に伝えるため、それらを電気信号に変える場所)にどのように届くかをシミュレーションしていることが分かります。
つまり、この電子レンズが実用化されれば、ネットの世界と現実世界を融合すると言われたグーグルグラスどころではなく、この世の中からまず眼鏡がなくなり、近眼も遠視も乱視も、水晶体が濁ってしまう白内障も無くなってしまうというわけです。
特許の出願時期から考えると、グーグルグラスとほぼ平行して研究していたようですが、グーグルグラスの嫌われぶりがはっきりしたため、こちらをメーンにしたようです。恐るべしグーグル!。
実際、5月4日付の米CNNマネー(電子版)も、老眼を治すためにこの電子レンズが(多くの人々に)使用されるほか、近視、遠視、乱視といった一般的な目の問題を解決する可能性があるといったグーグル側の発言を伝えています。水晶体は加齢とともに硬くなるため、自分が見るものの焦点を調整することが難しくなりますが、この電子レンズだとそういった問題が一気に解決できるわけです。
さらにこの電子レンズ、前述したように無線通信の機能も備えており、パソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)ともつながるといいます。グーグル側では将来、この電子レンズからさまざまな生体データなどをネットのサーバーに送信する考えで、送信データから個人を識別できないようにする仕組みを作るなど、ハッカー対策やプライバシーの保護にも万全を期す考えです。