日立製作所は2日、企業の経営判断を支援する人工知能(AI)の基礎技術を開発したと発表した。賛否が分かれる議題に対し、約120万の日本語の記事や白書を分析し、賛成と反対の双方の立場から複数の意見を提示する。今後、顧客企業とAIを使った実証実験を共同で実施し、機能改善を図り、2~3年後に実用化を目指す。
日立が開発したAIは文書ベースで質問に回答するタイプ。例えばパソコンの画面上に「国は再生可能エネルギーを導入すべきか」という議題を入力するとAIが関連記事を抽出する。
さらに、これらの記事をベースに経済、環境、政治など、さまざまな観点から再生可能エネルギーに関する賛成と反対の両方の意見を表示する。AIはデータを解析し、2分程度で意見を回答してくれる。日立は昨年、英語の記事を分析し、意見を提示するAIを開発した。ただ、従来の技術は英語の文法をプログラミングする必要があり、日本語を含めた他言語への展開が難しかった。今回、専用プログラムを必要としない新技術を開発し、日本語にも対応させた。