たったこれだけのシンプルな映像にもかかわらず、ユーチューブでの閲覧数は、4月8日夜までに120万回超えるヒットとなっている。
まるで企業の苦悩、昭和の伝説フォークシンガーがBGM
映像演出の胆となるBGMは、1960年末から京都を中心に関西でも活動した伝説のフォークシンガー、高田渡氏(1949~2005年)が歌った「値上げ」だ。
歌が世に出たのは高度成長期にあった大阪万博の翌年の昭和46(1971)年。金・ドルを兌換停止したニクソン・ショックがあり、その後のオイルショックで急激な物価高に向かう節目の年でもあった。
♪値上げはぜんぜん考えぬ
♪年内値上げは考えぬ
♪すぐに値上げは認めない
♪値上げするかどうかは検討中
♪すぐに値上げはしたくない
まるで経営者がインタビューで、のらりくらりと質問をかわそうとする言葉を並べたような歌詞。スローなリズムにあわせて、値上げに踏み切るまでの、ためらいがにじみ出て、しんみりとした気分にさせる…