中華圏の旧正月にあたる春節(8日)連休に合わせて中国人観光客らが押し寄せ、国内の観光、小売業界が“爆買い”の取り込みに躍起だ。関西でも、関西国際空港への格安航空会社(LCC)就航拡大を追い風に訪日外国人(インバウンド)が街にあふれ、関西の百貨店やホテルの春節商戦は滑り出し順調だが、当初の期待が大きかっただけに「昨年よりは落ち着いている」との声も聞かれる。(田村慶子、大島直之)
順調でも物足りない
中国人観光客らでにぎわう大阪・ミナミ。春節の連休期間の勢いに乗っているのが高島屋大阪店(大阪市中央区)だ。7、8日の2日間の免税売上高は前年同期比60%増だった。とくに化粧品は同2・2倍と大きく販売を伸ばした。「婦人服、ステンレスボトルなど生活雑貨が好調だ」(広報・IR室)と順調なスタートダッシュに沸いている。
一方、ホテルニューオータニ大阪(同)は春節の連休中の客室稼働率を前年から20ポイント以上伸ばし、9割超を見込んでいる。館内の中国料理店では、春節祝いの定番ともいえる銀杏入りの水餃子をメニューに加え、「問い合わせが増えている」(担当者)という。