エールフランス航空のパリ線が週6便、KLMオランダ航空のアムステルダム線が週5便にそれぞれ減少し、ルフトハンザドイツ航空のフランクフルト線にいたっては週4便まで減ってしまった。
ビジネスや旅行の行程を組み立てるうえで毎日航空機が発着するデイリー運航の持つ意味は大きい。それが崩れたということは、旅客の利便性が大きく損なわれたことになる。
欧州線の減便の原因は欧州経済の停滞に加え、円安で日本人旅行者が減少していることも大きいといわれる。新関空会社幹部は「フランクフルト線の大幅減便は(独自動車大手の)フォルクスワーゲンによる排ガス規制逃れ問題も影響してくるのでは」と指摘する。
そもそも関空から欧州へは、日本航空や全日本空輸など日系の航空会社は路線を開設しておらず、欧州の航空会社頼みになっているのが実情だ。特に日航はリーマン・ショック前までは英仏などに多くの欧州線を飛ばしていたが、経営危機などもあり、いずれも撤退している。日航はロンドン線の復活を検討しているものの、実現するかは不透明な状況だ。