昭和39年10月10日に行われた1964年東京五輪の開会式で、航空自衛隊のブルーインパルスが披露したアクロバット飛行(展示飛行)は、その飛行技術の高さを世界に示す絶好の機会となった。
機体はF86戦闘機。午後3時すぎ、5機の編隊は機体の後尾から青、黄、黒、緑、赤色のスモークをはき出し、快晴の大空に鮮やかな五輪のマークを描いた。5機が一定の間隔で円を描く飛行は極めて難しく、その模様は世界に中継され、大きな感動を呼んだ。
ブルーインパルスは昭和35年、浜松北基地(現浜松基地)第1航空団第2飛行隊内に「空中機動研究班」として誕生した。東京五輪のほか、大阪万博の開会式では「EXPO’70」の文字を大空に描くなど、F86引退までの21年間に545回の展示飛行を行った。