マツダ社員が抱き続ける危機感 「スカイアクティブ」完成の秘密 (6/7ページ)

2015.11.8 17:12

小飼雅道・マツダ社長

小飼雅道・マツダ社長【拡大】

 各部門長が自分の利害だけでものを言わなくなりました。上の人の承認をもらって初めて他部門に協力する、そんなことはもう必要ない、と、折に触れて言っています。そうした風土を根付かせたいものです。

 --スカイアクティブというマツダ独自の技術も、この風土の中で育ってきたというわけですね。完成するまでに、その実現可能性が疑問視された時期もあったように思いますが。

 安全性能と燃費・環境性能ははずせません。そのうえでマツダならではの走る歓びを実現する、これがスカイアクティブです。この技術が完成した背景には、マツダの特長である自前主義があります。

 どこからか技術を買うのではなく、自分たちの力で製品をつくろうということです。よい面も悪い面もあることを認識したうえで、自主運営を貫いています。技術も生産設備も同じです。あるソフトウェアを開発したあと、気がついてみたらもっとよいソフトウェアが世の中に供給されていたという失敗もありました。

 しかし、自分が手を加えることでよりよいものができあがると考えています。たとえば、製造設備に使用する産業用ロボットの場合、マツダは汎用製品を購入します。そしてそれを搬入したトラックの上で引き取り、あとは自分たちで工場建屋に搬入し据えつけ、さらにはソフトウェアを投入します。制御ソフトは多くがマツダの内製です。他の自動車会社でこの例はないと思います。

まぁ、こうするのは、マツダにお金がないからでもありますが

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