細かいものまで見直しました。たとえば、部品識別用のワッペン。「これ生産現場でほしいのか? 1枚10円もするぞ。現場は姿形で判別できないのか?」という指摘までしました。納入される部品に貼ってある傷つき防止シールも無駄なので廃止しました。そうした検討の過程で、とんでもないものも見つかりましたよ。部門の壁はこんなにも厚いのかと改めて感じました。
このコスト削減活動は、役員や特定の個人の手柄ではありません。全員の手柄です。これをきっかけに、各部門のエンジニア同士が「そろそろ会社が儲かることをしようや」と言ってくれるようになりました。
スカイアクティブが完成した秘密
--少しずつ組織間の壁がなくなっていったというわけですか。
この7、8年、大きく変わりました。今では組織の壁を越えて、その階層ごとにお互いに話ができていますし、必要な情報はすばやく伝わるようになっています。役員も同じです。週に1回集まって、2時間かけてじっくり話し合っていますよ。そしてお互いに助け合っています。たとえば、生産と購買も積極的に共同作業をしています。購買を支えてくださっているサプライヤーで生産に支障が出たとすれば、すぐに生産の人間がお手伝いにいきます。ようやくそこまで来ました。