ヨドバシは消費者の購買スタイルの多様化に合わせ、ネット通販と店頭販売におけるポイント付与率や特典を統一した。店舗でのクレジットカード払いで8%だったポイントは、ネット通販や現金払い時の10%に引き上げる一方で、ネット通販を対象に1万円以上の高額商品について無料で90日間修理保証していたサービスは店頭でも拡大する。
こうした取り組みにより急拡大するヨドバシの通販事業は、アマゾンを脅かしつつある。アマゾンの2014年12月期の日本の売上高は79億1200万ドル(当時のレートで約8400億円)と群を抜くが、伸び率は前期比14%増と13年12月期の20%増から鈍化した。前年比5割程度の伸びとなったヨドバシ・ドット・コムの猛追も影響しているとみられる。
国内家電量販は、昨年4月の消費税増税後の消費の落ち込みで厳しい経営環境にあり、ヤマダ電機は今年6月末までに国内全店の5%強に当たる約60店舗を閉鎖した。店舗中心の対面販売に限界が見え始める中で、ヨドバシのネット通販事業における成功は、家電量販の生き残りに向けた新たな方策を示す「道しるべ」になっているのかもしれない。(永田岳彦)