東芝は不適切会計問題を受け、前社長の佐々木則夫副会長(66)が9月に開く予定の臨時株主総会で取締役を退く方向で調整していることが9日、分かった。佐々木氏は不適切な会計処理があった平成21年から25年まで社長を務めており、続投は難しい情勢で事実上の引責辞任となる。
佐々木氏は最初の問題が発覚したインフラ部門出身で、現在は、経団連の副会長を務めている。
会計問題では、東芝幹部が業績を良く見せようとした「動かぬ証拠」(東芝関係者)が見つかっているもようで、弁護士などで構成する第三者委員会が意図的な会計操作と認定する可能性があるという。
今回の会計問題は佐々木氏が経営トップだった時代に集中しており、東芝は、辞任は避けられないと判断したようだ。東芝は第三者委員会の調査結果が出た段階で、経営責任を明確にし、新たな役員を選任する方針だ。