このシステムは、人の体に取り付けたセンサーで、筋肉や心臓が動く際に発生する電気信号の筋電位や心電位を読み取るというもの。心電図のようにグラフにして表示するだけでなく、音として聞かせることができる。例えばゴルフのパッティング時、緊張して体に無理な力がかかると、それを音にして当人に聞かせる。プレーヤーは、音が鳴らない状態に体を近づけることで上達していける。
野球の投球練習では、速い球を投げる人の出る音を聞き、自分もその音に近い音を出せるよう、体の動きを修正できる。両脚の大腿部の前後、左右の脇腹、胸に取り付けたセンサーが、筋肉の動きの微妙な違いをキャッチして音に変える。見た目は同じようでも、実際には違った動きも把握して、伝えられる。ビデオで撮った映像でフォームを見返す必要がなく、音を聞きながら修正していけるため、より効果的に練習できるという。
1月中旬には、最先端のウェアラブル技術を集めた展示会も東京ビッグサイトで開かれた。「第1回ウェアラブルEXPO」には、特殊装置をペットの犬や猫の首輪に取り付け、行動を把握した上でペットの“気持ち”を解析するシステムや、小型化された脳波計で人の行動をリアルタイムで把握する技術などが並び、ウェアラブル技術が実現する暮らしの未来像が見えてきた。ウェアラブル脳波計は、高齢者やリハビリ中の人の健康管理や運動支援などに役立てられる。