郵便局の「格安スマホ」販売は実現するのか。インターネットや新聞報道などで昨年11月末に浮上した、日本郵政グループの日本郵便によるスマートフォン事業への参入観測に業界が揺れている。全国2万4000の郵便局網が格安スマホを展開すれば、市場に地殻変動が起きるのは避けられないからだ。日本郵便の高橋亨社長は「そんな計画はないとコメントしろ」と広報室に指示するなど火消しに躍起だが、水面下では参入準備が着々と進んでいる。
MVNOと事業化調査
携帯電話大手の通信回線を借りて、割安な料金でスマートフォンを提供する「格安スマホ」事業。
実は、日本郵便は1年半ほど前から大手仮想移動体通信事業者(MVNO)とともに、格安スマホ参入の事業化調査(フィージビリティースタディー=FS)を続けてきた。
日本郵政グループの通信サービス参入については、政府の産業競争力会議で2013年に竹中平蔵元総務相が提唱している。日本郵政に、地方活性化に向けた無線ブロードバンド(高速大容量)通信環境の普及という重責を担わせる一方、新たな収益源を持たせることで日本郵政の収益改善を図ろうという趣旨だった。