国内自動車各社が、世界市場で通用する小型戦略車の国内販売を強化している。日本市場では、低燃費や安全性能の向上で軽自動車が大躍進する一方で、小型車は縮小の一途をたどる。しかし日本での不振をよそに、欧米や東南アジアなど世界的には最量販車種と位置づけられている。各社は、地球規模で販売好調な小型車で日本市場のてこ入れを図り、収益力を高める。
燃費を改善
トヨタ自動車は今月21日、小型車で排気量1300ccの量販モデル「ヴィッツ」の一部を改良して発売した。燃費性能をガソリン1リットル当たり25キロと従来比で約15%高めたうえ、シャープなデザインを採用した。開発を担当した金森善彦チーフエンジニアは「全面改良に近い刷新で、安定性、乗り心地を高めた。軽に負けない」と話す。
ヴィッツの一部改良車は、14日に燃費性能をガソリン車で最高の27.6キロに高めて発売した「パッソ」に続くてこ入れとなり、小型車市場で販売攻勢をかける。