自動車の安全技術として急速に注目を集めているのが運転支援システムだ。自動車に備えたカメラやレーダーなどを使って走行中の前方の様子を常に監視し、衝突の恐れが生じると警告を発したり、自動でブレーキをかけたりする仕組みが代表的な例だ。
世界の大手自動車メーカーのほとんどが独自のシステムを実用化。新車への搭載比率が90%を超える車種もあり、メーカー側は標準搭載する動きを強めている。
クルマをより安全な乗り物に変えたいというメーカー側の思いに加え、ドライバーの安全意識も高まっていることが背景にある。システムの価格がメーカーによっては10万円程度と安くなってきていることも理由に挙げられる。
国内メーカーで最初に「プリクラッシュブレーキによる衝突回避技術」を実用化し、自動車に搭載したのは富士重工業。ブレーキをかけるだけでなく、車間距離を一定に保つなど多様な機能が加わっている。
しかし、あくまでも支援システムであることを忘れてはならない。衝突を完全に防ぐものではないので、運転時には万全の注意を払う必要がある。
次回はさらに詳しく運転支援システムを紹介する。(取材協力 富士重工業)