トヨタ自動車はグループ全体で初の世界年間(暦年)販売1000万台に挑むが、主力の米市場で米自動車大手が復活するなど競争環境は厳しさを増す。中国でも現地化による低価格競争が繰り広げられている。市場をすみ分けてきた独フォルクスワーゲン(VW)との真っ向勝負も本格化する見込みで、「今後を楽観視できる状況にはない」というのがトヨタの本音だ。
米市場は経営体質強化と利益率の高いピックアップトラックが好調な売れ行きを示し、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーターの米国勢が復活。フォードの昨年の米国販売は10.8%増の248万台と、米自動車市場で年100万台販売するメーカーで唯一、2桁増を達成した。
対するトヨタも7.4%増と健闘したが、得意の大型車で利益を稼ぐ米国勢に対し、利益の源泉が少ない。今後も中小型の低燃費車の売れ行きが大型車に押されて伸び悩むようなことがあれば、北米市場での優位が崩れかねない。