東芝が開発を進めていたEV(電気自動車)バスが2月から都心部で商用運行を開始することが20日、分かった。急速充電技術などを確立し、渋滞が激しい交通環境でも運行できるめどが立った。排ガスを出さず、環境負荷の少ないEVバスは2020年東京五輪の輸送インフラなどとして今後拡大が見込まれる。東芝はリチウムイオン電池やモーターなどの強みを生かし、本格展開に乗り出す。
東芝のEVバスは、港区のコミュニティーバスとして導入される。田町駅-新橋駅の往復約17キロ(約2時間)を1日6回走行する。ディーゼルエンジンのバスが走行するルートを、EVバスに同じダイヤで走らせる取り組みは国内初という。
東芝は商用運行でノウハウを蓄積し、電池を再利用するシステムなども構築する。今後、自治体などに売り込み、EVバス事業を拡大する考えだ。
東京五輪招致委員会は、選手村を巡回するバスや運営用車両にEVなどを積極利用し、国内に普及させる契機とする方針を打ち出しており、需要を取り込む。