トヨタ自動車は10日、燃費性能を従来型比で最大3割改善した新型ガソリンエンジンを発表した。まず排気量1000ccと1300ccの2機種を月内に発表する新型モデルに搭載。2015年までにディーゼルエンジンを含め14機種を開発して主要モデルに順次導入する。トヨタは燃費性能の高いハイブリッド車(HV)に注力してきたが、なお世界販売ではガソリン車が主流。燃費性能を改善し、新興国などでのシェア拡大を目指す。
新型エンジンは燃料を燃やした熱エネルギーのうち動力に変換された割合を示す「熱効率」を、量産型ガソリンエンジンでは世界トップレベルまで高めた。
エンジンを自動停止するアイドリングストップ機能などと合わせ、燃費性能は1300ccで従来型より約15%、ダイハツ工業と共同開発した1000ccでは約30%改善できた。
月内に一部改良して発売する小型車「パッソ」や「ヴィッツ」から導入する見通し。
パッソの場合、1リットル当たりで最大21.2キロの燃費性能が27キロ程度まで向上するとみられる。今後はHVやディーゼルエンジン車の燃費性能向上にもこの技術を生かす方針だ。