「ランサーエボリューション」「インサイト」「レガシィ ツーリングワゴン」といった時代を象徴する車種の生産を国内自動車各社が相次ぎ終了させる。生産終了を惜しむ声も多いが、各社とも近年は戦略車を別車種に移したことが大きい。車種の選択と集中を進める中で、役目を終了させ、区切りをつけるとの決断を下した。
三菱自動車は、ラリースポーツで活躍したことで人気を高めた四輪駆動のスポーツ車「ランサーエボリューション」の生産を10代目の現行モデルで終了する。1992年発売後、自動車ファンに「ランエボ」の愛称で親しまれ、累計15万1000台を販売した。ただ、2013年の販売は3400台まで減少するなど、近年は販売が落ち込んでいた。経営再建中の同社は、プラグインハイブリッド車(PHV)など環境対応車に経営資源を集中する。
ホンダは、ハイブリッド車(HV)「インサイト」の生産を2月末で終了。1999年11月に発売し、トヨタ自動車との燃費競争に真っ向勝負を挑んだ車として知られた車だった。現在はその役目を小型HV「フィット」に譲っているうえ、7月発売を控えるHVの小型セダン「シティ」が実質の後継車種となることで終了を決めた。