「働く」「遊ぶ」「暮らす」-。近畿日本鉄道の小林哲也社長は、大阪を代表する3つの都市部エリアをこんな言葉で表現する。
キタ(梅田地区)はビジネスが中心で、昼間の人口が多く「働く」要素が大きい。ミナミ(難波・心斎橋地区)は「遊ぶ」で、近年は歓楽街という色合いが濃くなってきている。
阿倍野・天王寺地区は台地にある眺望のよさから住宅地として開発され、「暮らす」ことのウエートが高いという。事実、阿倍野区の人口密度は大阪市内の平均と比べて1・5倍、北区の1・6倍に上る。このため、3月7日に全面開業した日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)にとって近隣の地元住民を取り込むことが最初の課題となる。
地元住民と一緒に作る“新たな街”
「阿倍野っていい街ですよね。離れられなくなりそうです」。1月13日、ハルカスで行われた1階から60階までを階段で上るイベント。参加した阿倍野区に住む大学2年生の音無朋久さんは、展望台(58~60階)で眼下に広がる景色を眺めながらこう語った。