大手百貨店が、中小型店を外部の商業施設に出店する動きが相次いでいる。市場縮小で大型店の新規出店が難しくなる中、中小型店の外部出店が売り場を増やす強力な手段になっているためだ。若年層が集まる商業施設に出店することで、百貨店の顧客層を広げる狙いもある。
高島屋子会社の岡山高島屋は、11月開業予定のショッピングセンター「イオンモール岡山」(岡山市北区)にデパ地下業態「タカシマヤフードメゾン」を出店する。イオンモールは岡山高島屋と徒歩数分の距離にある競合店だ。
デパ地下の出店は、ライバルに強力な“集客装置”を与えることにもなりかねない。
しかし、高島屋の肥塚見春専務は「高島屋の売り場が広がると考えている。モールとは客層も違い、百貨店に来るきっかけにもなる」と強調する。
小田急百貨店は1日、新宿店(東京都新宿区)に雑貨売り場「デスク マイ スタイル」をオープンした。テーマに沿った複数のブランドの商品を、1カ所に集める自主編集と呼ばれる売り場で、働く男女を対象に職場で利用できる雑貨や食品など約1000種類を集めた。