日本貿易振興機構(ジェトロ)と国税庁も、海外への販路拡大を狙う国内の酒造会社向けに「日本酒輸出ハンドブック」を作成。「韓国で最も売れている日本酒は900ミリリットル紙パック」「日本酒を贈答に用いる中国ではラベルや化粧箱のデザイン、高級感がポイント」など、各国での販売拡大のヒントがわかりやすくまとめられている。
TPP交渉も追い風だ。政府・与党は「日本酒の関税撤廃を求めていく」(林芳正・農林水産相)としており、実現すれば海外で日本酒の販売価格引き下げにつながる。
日本政策投資銀行新潟支店は、一昨年に公表したリポートで、平成32(2020)年度の日本酒の国内消費量は、10年前の22(2010)年度から5割以下に落ち込むと予測した。少子高齢化に加え、「きつい酒」のイメージが強く、日本酒を楽しむ人口層が減っているためだが、この予測を覆す「日本酒ブーム」は起こせるか。関係者の努力とその効果に注目が集まっている。(西川博明)