政府も後押し
一方、日本酒の海外輸出量は2%前後と微々たる数字ながら、右肩上がりが続いている。国税庁によると、平成13(2001)年は約7千キロリットルだった輸出量は、11年後の24(2012)年は約1万4100キロリットルへ倍増し、過去最高を記録。25(2012)年も1~10月累計で前年同期比13・1%増と、前年を上回る過去最高ペースが続く。
日本国内は少子高齢化で、消費拡大の望みは薄い。一方、海外は欧米の先進国での健康志向の高まりに加え、新興国の経済発展により、日本酒の消費拡大が期待できる状況にある。
農産物の輸出額を現在の2倍の年間1兆円規模を目指す日本政府も、日本酒の輸出拡大を下支えする政策を進めている。酒米生産について、平成26年産米から増産分を減反(生産調整)の対象外にする方針を決定。農林水産省は、農家が酒米増産をしやすくなり、海外で日本酒需要が伸びた場合の酒米不足も回避できると期待する。30年度のコメの減反政策廃止を先取りした格好だ。