結果、京都の酒蔵が製造した日本酒の平成24年7月~25年6月の出荷量は約30年ぶりに増加へ転じ、早速効果が表れた。
関連事業も快調だ。京阪電気鉄道は今年2月から、京都・伏見の日本酒を飲み比べできる特別列車(参加料3900円)の運行を企画。2月8日の初回は「インターネットで告知した程度」(担当者)だったが、先着88人分が即日完売。22日運行予定の2回目分は今月27日から受け付けるが、「問い合わせは増えており、初回分より早く完売しそう」とみている。
京都の成功体験を受け、佐賀県鹿島市や広島県東広島市、茨城県笠間市などでも同様の条例が成立する動きが相次いでいる。製造する地元の蔵元が潤えば、各自治体の税収にプラスに跳ね返る“恩恵”があるためだ。
こうした流れは日本酒にとどまらず、ワインや緑茶など。地元商品で乾杯する条例制定の動きにも発展した。ただ、蔵元をかかえる自治体の中には「日本酒だけでなく、他の酒メーカーとの兼ね合いもある」(神戸市)と慎重な姿勢を示すところもある。