「あなたの質問は中国に対する偏見に満ちており『傲慢』だ。まったく受け入れられない」
「中国の人権状況を最もよく理解しているのは中国人だ。あなたは中国に来たことがあるのか」
女性記者に向かい、憤怒の姿勢を強烈に演出すべくペンを横に振りながら、怒鳴りつけるかのように説教を続けること2分以上。どちらが『傲慢』かは明らかだ。しかも、女性記者の質問はカナダ外相に向けられたものだった。王外相は横から口を挟んで、あろうことかカナダ外相の「代弁」をしたのである。
イスの使い方にも観察が必要だ。ヤクザ映画を観ていると、大物の組幹部はふん反り返って、「子分」や「敵対する組幹部」をにらみ付けている。
5月にラオスの首都ビエンチャンで開かれたASEAN(東南アジア諸国連合)国防相会議では、中国の南シナ海侵出を念頭に、国際法を順守する行動規範(COC)の早期策定を目指す方針を含む共同宣言を発出した。ASEAN各国の国防相は共同宣言に署名後、ラオスを訪問した中国国防相と非公式会議に臨んだ。前述した仲裁裁判所の裁定前だった。