海上自衛隊最大級のヘリコプター搭載型護衛艦「いせ」が26日、フィリピン北部ルソン島のスービック港に入港した。今月上旬の15年ぶりの海自潜水艦寄港に続く動きで、日本とフィリピンの防衛協力強化を誇示し、南シナ海の軍事拠点化を続ける中国をけん制した。
いせは基準排水量1万3950トン、全長197メートルで、艦首から艦尾まで延びる甲板を備えた空母のような外観の艦船。かつて米海軍の拠点基地が置かれていたスービック湾について、いせの高田昌樹艦長は「外洋から直接港に入ることができ、この海域で行動するにしても良い港だと思う」と指摘した。
いせは今月中旬、インドネシア・スマトラ島沖で開かれた多国間共同訓練に参加。その後、米国や東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国など19カ国の軍将校を乗せ、スービックに入った。29日に出港し、南シナ海を航行してブルネイとシンガポールに向かう。(共同)