海上自衛隊の全護衛艦や、武器・弾薬&武装自衛官の投射に使う航空自衛隊が6月に配備した輸送機…は、どれもこれも海外に派遣できる。逆に、《“殴り込み”に使う水陸両用車》は、輸送のプラットフォームなしでは海外に展開しようがない。
むしろ日本は55年体制中、政治の圧力で、航空自衛隊の一部航空機の航続距離にあえて制限を課したり、税金を投じてわざわざ戦闘能力を取り外したり、まともな国家ならおよそ理解不能な愚行を繰り返した。
「意図」と「能力」で決まる国家の侵略性
そもそも、国家の侵略性は《意図》と《能力》で決まる。戦略と戦力と換言しても差しつかえないが、4類型に大別される。
(1)侵略意図も侵略能力もナシ
(2)侵略意図がなくて侵略能力アリ
(3)侵略意図があっても侵略能力ナシ
(4)侵略意図も侵略能力もアリ
(1)と(2)は基本的に安全だ。(3)は警戒・監視が必用だが、全力で整備すべきは、(4)に属する中国などへの対抗力だ。中国に対し、わが国は(2)が示す報復力=抑止力を保有する戦略が望まれる。