全線開業から5年が経過した九州新幹線の利用者は年間1300万人に達し、ビジネス、観光、さらに日常の“足”としても、人の流れを大きく変えた。だが、九州7県のうち、2015年国勢調査(速報値)で人口が増えたのは福岡県のみ。九州新幹線が通っているかどうかで人口減少率に大差はなく、福岡市を中心とした福岡都市圏への一極集中が進んでいる。
もちろん、人口だけで地域の活力を計ることはできないが、新幹線だけで活性化できるわけでもない。新たな交通インフラを地域の活力にどうつなげていくのか。東九州新幹線構想は、改めてそのことを問いかけてもいる。(産経新聞社西部本部副代表 高橋俊一)