同じ九州でも、九州新幹線で結ばれる熊本までは博多から最速で33分、鹿児島中央でも1時間17分で着く。半面、新幹線のルートにない大分、宮崎へはなかなか行きづらい。
こうした中で、にわかに浮上しているのが、福岡から大分、宮崎を経て鹿児島に至る「東九州新幹線」構想だ。大分、宮崎両県は今年度、それぞれ調査費500万円を計上した。大分県が1月に公表した試算によると、東九州新幹線が建設された場合、博多-宮崎は2時間9分で結ばれ、特急に比べ約3時間短縮されるという。大分県は来年度当初予算案にも189万円の推進事業費を盛り込んだ。宮崎県と連携して国への要望活動を行うほか、地元住民や企業などに経済効果に関する説明会を開く考えだ。
耳慣れない東九州新幹線構想だが、実は降ってわいた話ではない。今から40年以上前、1973年に国の基本計画に盛り込まれている。実現には国が整備計画に格上げする必要があるが、地元自治体が動き出したことは一歩前進といえる。