川崎汽船の次世代型自動車運搬船「ドライブグリーンハイウェイ」(7万6000総トン)が完成し、横浜港で報道陣に12日公開された。排気ガスを水で浄化する装置など数々の環境技術を用いたほか、新幹線などの鉄道車両も運べるのが特長だ。
同船は全長200メートル、幅と高さ38メートル。12段のデッキに国内最大級の7500台(乗用車換算)を積める。水混合重油で動かす最新エンジンなどにより、排気ガスに含まれる硫黄酸化物を90%、窒素酸化物を50%削減。燃料消費量も、流線型デザインや低摩擦塗料の採用で6000台クラスの運搬船と同等に抑えた。最上甲板に敷き詰めた912枚の太陽光パネルで船内の照明用電力をまかなう。
後部積載口の幅は従来比5割増の12メートルで、全長20メートル超の車両を取り回すことが可能。日立製作所が英国から受注した高速鉄道車両15両などを積み、欧州への処女航海に3月出発する。
川崎汽船の朝倉次郎会長は「世界の最優先課題である環境保全に貢献していきたい」と発表会で述べた。