九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)は、在来線と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」で、平成34(2022)年春に暫定開業させる案が有力になっている。導入予定のフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の開発が遅れているためで、時間短縮効果は乏しいが、政府、与党は開業予定時期を守ることを最優先させる方針。車両基地整備などに巨額の追加費用が見込まれ、国や地元自治体がどう負担するのかが焦点となりそうだ。
「政府、与党の申し合わせは重い」。長崎ルートの開業方法について、3月中に結論を出す与党検討委員会のメンバーは強調する。同ルートの早期整備を確認した昨年の合意を守るため、リレー方式はやむを得ないとの立場だ。
長崎ルートは線路幅の異なる新幹線と在来線区間が混在するため、新技術のフリーゲージトレインを使う予定。ところが走行試験で車軸付近の部品にひびが見つかり、開発は難航。フル規格で建設中の武雄温泉-長崎が予定通り完成しても、全ての列車を新型車両で運行できるのは平成37(2025)年春以降の見通しとなっている。