中国国際航空(エアチャイナ)の航空機内で10日、インターネットを通してテレビ番組をリアルタイムで視聴できるサービスが始まった。中国国営新華社通信が伝えた。
旅客機内で衛星テレビ番組を見られるサービスは国内で初めて。
同社は現在、旅客機21機にインターネット設備を搭載しており、毎日約80便でインターネット接続サービスを提供している。これらの航空便では、旅客は自分の端末から公衆無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」を無料で使用できる。
今後、同社は保有する500機余りの航空機すべてでこのサービスを提供する予定だ。
同社の鐘徳超・副総工程師によると、機内でのリアルタイムのテレビ番組視聴は、衛星通信で使用される周波数帯域であるKuバンド(12~18ギガヘルツ)を利用することで実現した。
同社のKuバンド対応旅客機は地上との通信に中国衛星通信集団の独自の通信衛星システムを利用しており、20Mbpsの速さのブロードバンド提供が可能。中国の人工衛星「東方紅4号」のシステムと自主コントロール観測システムを採用し、情報伝送の安全性と信頼性を確保した。
中国衛星通信集団の柴勇・科学技術専門家委員会副主任によると、東方紅4号のシステムは出力が大きく、積載能力が高く、寿命が長いといった特徴があり、ビーム(電波の束)は中国全土と一部の周辺国・地域をカバーでき、中国の民用航空におけるすべての国内線および一部の国際線でブロードバンド通信を十分に提供することができるという。
柴副主任は「中国の衛星リソースの統合利用と国際間の衛星リソース協力により、中国国際航空のKu衛星システムは低コストの国際便にも導入できる見通しが出てきた」と語っている。(上海支局)