羽田空港発着便をめぐり、スカイマークが全日本空輸や日本航空との共同運航の実施にめどをつけた。共同運航はスカイマークの業績回復に向けた増収策の柱で、当面は窮地を脱するとみられる。ただ、大手2社に加え、急拡大する格安航空会社(LCC)との競争も激しく、独自の存在感を打ち出すのは容易ではない。「独立経営」の維持に向けた再建の道のりはなお厳しい。
共同運航は、スカイマークが運航する便の座席の一定数を全日空や日航が買い取り、双方の便名をつけて販売する仕組み。スカイマークにとっては搭乗率が確実に向上するメリットがある。
スカイマークが10日発表した昨年12月の全路線平均の搭乗率は、前年同月比5・6ポイント低下の54・5%と採算ラインを下回る。帰省や旅行などで書き入れ時となる12月の搭乗率が50%台に落ち込んだのは、平成17年(51・4%)以来9年ぶりだ。大幅な悪化は、経営難を不安視した顧客離れが進んでいる表れとも指摘される。
ピーク時に300億円超あった手元資金は、昨年9月末に45億円まで減った。円安の進行によるコスト増や搭乗率の低迷により、手元資金の減少は続いているとみられており、資金繰りの改善は急務だ。スカイマークは共同運航による収益改善とともに、投資ファンドを引受先とする第三者割当増資により、財務基盤の強化を急ぐ考えだ。(森田晶宏)