航空各社が燃料節約の取り組みを強化している。原油価格は急落しているが、燃料使用量はコスト競争力に直結するため、削減の手を緩めるわけにはいかない。燃料消費が減れば二酸化炭素(CO2)排出が抑制され、環境負荷も減らせる。環境保護に対する社会的要請が強まるなか、「乾いたぞうきんを絞る」努力が続く。
洗浄で運転効率上昇
騒音問題のため、23時に1日の運用を終える成田空港。全日本空輸の整備格納庫では、その直後から夜を徹して航空機のエンジン洗浄作業が行われる。
エンジンをスターターモーターで回転させつつ、前方からエンジン内部に温水や水を注入する。するとエンジンの後方から汚れた水が流れ出てくる。それを排水回収車で受け止め、排水処理するのが大まかな流れだ。
航空機は、飛ばすたびにコンプレッサー(圧縮機)の羽根に空気中の微少なごみやちりが付着し、運転効率が低下する。逆に定期的な水洗いを行えば、性能が回復し、燃費も良くなる。