新関西国際空港会社が、関西国際空港の国際線を利用するビジネス客の囲い込み戦略を強化する。来年度に法人会員サービスを国内空港会社で初めて導入し、保安検査場の優先レーン利用などの特典を売りに会員企業を募る。関空では外国人観光客の利用が増えているが、旅行会社が航空券をまとめ買いするため薄利多売だ。一方、ビジネス客は定価購入が多く、ファーストクラスやビジネスクラスの利用もあって利益が大きい。伊丹(大阪)空港を含めた運営権売却の準備が進むなか、“稼ぐ空港”への取り組みが加速している。(中山玲子)
企業丸ごと囲い込み
「これまで観光客を誘致する施策を打ってきたが、これからはビジネス客にも力を入れる」
11月、来年4月にスタートする法人サービス「グローバルビジネスクラブ」の発表会見で、新関空会社の担当者はこう強調した。
新サービスは、法人会員となった企業の社員のうち関空を利用する海外出張者が対象。来年度にも設置予定の出入国時の保安検査場の優先レーン「ファストレーン」を利用できる。