就航都市も増加か
実は関空の北米路線など長距離路線は、就航都市数に増加の兆しがみられる。来年3月、日本航空が約8年半ぶりにロサンゼルス便を、エア・カナダが同年5月には、約7年ぶりにバンクーバー便をそれぞれ復活させる。「かつてのジャンボ機の時代は450人程度の客を乗せなければ採算が取れなかったが、最近では航空機の小型化が進んで、低コストで運行しやすくなった」(新関空会社)ことも背景にある。
関西経済圏の地盤沈下とともに関空のビジネス客は減少傾向が続くが、新関空会社は「手をこまねいているわけにはいかない」と、企業丸ごと囲い込みに動くことになった。関空はここ数年、アジアを中心に外国人観光客増加で成長を加速させてきたが、空港会社で初の試みでビジネス客の増加が見込めるか-。
手続きの準備が進む運営権売却で高値落札を実現するためにも“稼ぐ空港”として評価されることは重要だ。今回の法人会員向けサービスの導入が空港価値向上の試金石になるかもしれない。