北京の思い通りに外貨が中国に流入するとは限らない。主な流入源は貿易黒字と外国からの直接投資だが、輸出は低迷し、人件費高騰を嫌った外国企業は他のアジアに生産をシフトさせている。それでも外貨流入方法はある。海外からの借り入れである。
国際決済銀行(BIS、本部スイス・バーゼル)によると、中国の海外の銀行からの借り入れ残高は14年9月末、1兆700億ドルで、前年比2800億ドル増えた。世界全体での2700億ドル増をしのぐ。ということは、国際金融で稼ぐ米欧日などの大手銀行を、もっぱら対中国金融が支えていることになる。北京は国際金融界の協調のもと元資金を供給し、富裕層は海外で買い物に狂奔する。
銀座、ニューヨーク五番街も、ロンドン・シティー、ニューヨーク・ウォール街も毛沢東のお札、元のチャイナマネー、で踊る。そんなざまで世界は大丈夫か。そう、安心している場合ではない。