韓国の2014年の実質国内総生産(GDP、速報値)が2年連続で前年を上回った。韓国国内では「16年にも1人当たりのGDPで日本を追い越す」といったシンクタンクの研究報告もあり、経済成長に自信を深める。しかし、一方で15~29歳の失業率が過去最悪を記録し、若者の半数以上が「まじめに働けば豊かになれる」という話を信じておらず、GDPでは見えてこない“負の側面”が今後さらに膨らむ可能性は否定できない。
10~12月期GDPは2年ぶりの低成長
韓国銀行(中央銀行)が1月23日発表した2014年の実質GDPは、13年比3・3%増となり、伸び率は2年連続で前年を上回った。この数値だけをみれば順風満帆ともいえるが、実はそうでもない。
同時に発表された14年10~12月期の実質GDPは前期比0・4%増と約2年ぶりの低水準。建設投資などが大きく落ち込み、民間消費も微増にとどまった。何よりも今、指摘されるのが韓国経済の“ゆがみ”の多さだ。