海上自衛隊と中国海軍の間で不測の事態を回避するための「海上連絡メカニズム」の運用開始に向けた防衛当局間の作業部会が12日、東京都内で開かれる。昨年11月の首脳会談に続く日中間の「雪解けムード」を象徴する動きだが、昨年末には尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む日本周辺の空海域で中国軍の活動が活発化した。「接近」と「挑発」。相反するように見える動きに日本政府関係者は中国側の真意を測りかねている。(杉本康士、山本雄史)
報道発表にも配慮?
12日の作業部会には防衛省・海上自衛隊と中国国防省・海軍の当局者らが参加するが、事前に公表されず、協議終了後に行われる報道陣向けの説明は13日に持ち越される可能性もあるという。防衛省関係者は「中国側の意向があるから、日本だけの判断ではできない…」と漏らす。
日中両政府は昨年11月10日の首脳会談の直前、日中間の「危機管理メカニズム」を構築することをうたった合意文書を発表。平成24年5月に大筋合意したまま凍結状態となっていた海上連絡メカニズムの運用開始に向け、ようやく動き出した。