強気なのか、それとも無謀なのか-。韓国の自動車最大手、現代自動車がグループとして今後4年間で総額81兆ウォン(約8兆7千億円)の投資を行うという。業績が下振れする中、再び成長軌道に乗せるための施策だが、思惑通りに収益改善につながるかどうかは読めない。というのも、自動車業界が次世代エコカーをめぐって一大転機を迎えているだけに、巨額投資が逆に“致命傷”となってしまう恐れも否定できないからだ。
トヨタを上回る巨額投資
現代自は1月6日、2018年までの投資計画を公表。年間平均は2兆1千億円強にのぼり、設備投資と研究開発投資を合算しても約1兆9千億円(14年3月期)というトヨタ自動車の実績を上回る巨額投資だ。
日本企業は長年に及ぶデフレ不況の影響もあり、300兆円といわれる内部留保を保有しつつも、新規の設備投資などに対して慎重姿勢をいまなお崩していない。経済の好循環を実現するため、企業に“次の一歩”を踏み出してほしい日本政府にとっては、4年間で8・7兆円を投資するという現代自の計画は「日本企業も見習い、もっと強気になってほしい」と思っているのではないだろうか。