欠陥エアバッグ問題が拡大する中、社長が退任する異例の事態になったタカタ。今後は創業家出身の高田重久会長兼最高経営責任者(CEO)が社長も兼務し、対応にあたる。同社は「多大なるご迷惑、ご心配をおかけした」と役員の報酬カットも発表したが、問題の幕引きはほど遠い。
「これまで意思決定者が2人いることで対応に遅れが出ていた」。タカタ社員は、こう説明する。
エアバッグ問題では、タカタの対応が後手に回ったことが米議会などで厳しく批判された。タカタは自社によるリコール(回収・無償修理)に消極的で、結果的に自動車メーカー主導で調査目的のリコールが世界で行われている。国際的なキャリアを買われ、社長に就任したストッカー氏だったが、指導力を発揮できないまま、自ら退任を申し出たという。