たばこ税の増税により、1月から韓国でたばこ価格が約1・8倍と大幅にアップした。あわせて居酒屋など公共施設での喫煙が厳しく制限されるようになり、禁煙を決意した国民は多いようだ。今年の禁煙クリニックの1日平均の登録者数は前年同期比で4倍に上るほどで、政府閣僚の“禁煙宣言”も相次いでいる。
一方、たばこが吸えないことへの苛立ちからか、暴行に発展するいざこざがあちこちで起きている。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で2番目に喫煙率の高い韓国だけに、思い切った健康増進策の波紋は大きい…。
怒りがこみ上げ「火を付けてやる」
たばこの値上げを約1カ月後に控えた昨年12月初め、ソウルの韓国国会議事堂に火を付けようとしたとして、自営業の男が書類送検された。朝鮮日報によると、男はタクシーで帰宅中、運転手とたばこの値上げについて話をしていたところ、怒りがこみ上げ「国会に火を付けてやる」と言い出した。運転手は目的地である国会議事堂前で男を降ろしたあと、すぐに通報。駆けつけた警官が男を現行犯逮捕したという。たばこ値上げへの不満が動機のようだ。