情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)によると、13年1~9月の携帯電話の輸入超過額は1兆円(12年は約1兆1000億円)を超えた。「スマホは中国製が多く、中国からの輸入増の傾向はしばらく続く」(CIAJの宮繁行市場調査部長)とみられている。
一方、電機業界に限らず産業界では、海外生産と国内生産の役割の変化が輸出の伸び悩みにつながっていると見る向きもある。
具体的には、国内市場の成熟化やエネルギーコストの高騰に対し、新興国市場の高い経済成長力を考えると、企業は国内生産は質の向上を、海外は量の拡大を重視する方向に動いているという。
法人企業統計などによると、製造業の日本法人の売上高(単体)は13年度上期に前年同期比1.8%減だったが、海外現地法人の売上高は13年4~6月期に20.1%増と大幅増加した。
伊藤忠経済研究所の丸山義正主任研究員は「製造業の構造変化は日本企業の合理的な選択の結果であり、今後は海外現地生産の果実を日本経済に取り込むための戦略や環境整備が求められる」と話している。(小島清利)